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月と蒼穹が奏でる物語 vol.2


大変申し訳ございませんでした!(土下座!)
そして、お待ち頂きまして本当に本当にありがとうございます!

オリジナル人物が何人か登場します。ご注意ください。

何はともあれ第2話!まずはご覧ください!






『GEM』にて宝石が公開される当日。2人の少女を乗せた白いセダン車が宝石店の正面玄関付近に停車した。

「行きましょうか、うさぎ」

まず、胸元がスクエアカットされたアクアブルーの長袖ドレスを纏ったみちるが車を降りる。

白いコサージュを左胸に咲かせ、Aラインの裾は膝の少し下辺りまであるだろうか。

左の手首にはシルバーの腕時計、に似せた通信機。

白い文字盤には海王星のシンボルマークが描かれている。

もしものためにとルナが渡してくれたのだ。

対してうさぎはというと、薄桃色がベースの半袖のドレスだ。

みちると同じ膝丈だが、腰の後ろには大きなレースのリボンがふわふわ揺れ、上から生成りのカーディガンを羽織っている。

彼女の通信機には黄色い三日月が横たわる。

2人ともどんな状況でも動けるよう、シンプルな白いパンプスを履いている。

「お帰りの際はまた連絡を」

「よろしくお願いします、貝塚さん」

海王家の古株で、信頼できる運転手の言葉に頭を下げ、緊張した面持ちで車を降りてうさぎもみちるの隣に立つ。

エンジン音を響かせ、離れていく車。

ざぁっ……

風が吹き抜け、2人の髪とスカートの裾を揺らす。

「みちるさん…」

「やはり、海が荒れてるわ」

憂い顔のみちるは風に流される髪を押さえて高い空を見上げた。

うさぎは手に持っている白いポーチの中にピンク色の丸いブローチとスマートフォンが入っているのを再度確認する。

大丈夫。

みちるが一緒だ。店の裏にはルナも控えている。

ひとつ深呼吸をした後、うさぎは顔を上げて背筋を伸ばした。

「行きましょう、みちるさん」





「天王様」

「ん…やぁ、ご無沙汰しているが、お元気そうで何よりですな」

背後からの声に男が振り返り、柔らかな笑みを浮かべて手を差し出す。

歳は40半ばくらいだろうか。

黒く短い、整えられた髪。整った容姿に涼やかで切れ長の瞳はアクアブルー。

白いワイシャツに真紅のネクタイとダークネイビーのスーツを合わせ、黒く艶のある革靴を履いている。

どうやら会社の取引相手だったようで、同行していた息子の紹介を終えた男は手がけているらしいプロジェクトの進行具合について話し始めた。

それらを聞き流しつつ、紹介されたはるかはそっとため息をついた。



あの日以降、夢にあの光景や女性が出てくることはない。

しかし、どうにも彼女のことが気になってよく眠れない日々が続いている。


あの女性が自分にとってどんな存在なのか


なぜ泣いていたのか


目覚めとはどういうことなのか


“危機”とはなんなのか


そして、彼女の娘とは…



あまりに疑問が多すぎて収拾がつかない。

今日は朝から頭痛まで引き起こしていたため宝石店の式典など遠慮したかったのだが、父親の秘書によって強引に連れてこられてしまったのだ。

先ほどから感じる、女性たちの絡みつくような視線も鬱陶しくて仕方がない。

(つまらないな……ん?)

ため息をついた彼の瞳に、2人の少女が映った。

チャコールグレーのスーツに合わせていた瞳と同じ色のタイを軽く直す。

「お話のところすみませんが、友人がいたので挨拶にいってきます」

「あ、おいっ…!すみません、奔放な息子で…」

「いいえ。あの年頃というのは我々の話などつまらないものです」

苦笑交じりの大人の会話を背中で聞き流しつつ、うっとりしている女性たちに視線すら向けずに足を進める。

「やぁ、2人とも来てたのか」

はるかの声に友人の2人が振り返った。

「あっ、はるかさん」

「ごきげんよう」

2人の少女、うさぎとみちるは小さく頭を下げて微笑んだ。

「君たちも宝石を見にきたの?」

「はい」

「そうそうお目に掛かれるものではないと聞いたものだから」

財閥に籍を置いているみちるの父。

その情報網は膨大だ。

無論罠を含ませたものも大量にある。

しかし、それを見破れなければ足元を掬われ、あっという間に地位を失う。

公開されることとなった宝石に関する情報はその中のほんの一部に過ぎない。

今日は祝日で学校もない。

ゾイサイトが狙っていると分かっているなら行動あるのみ、と2人はここへやってきたのだ。

「あぁ、もうそろそろ時間じゃないかな」

「っ、」

「大丈夫よ、うさぎ」

「みちるさん…」

未だ慣れない感覚。

戦いの予感に体が震える。

その指先を白い手に包まれ、加速しかけていた鼓動が収まり、凪いでゆく。

頷き合い、2人は手を繋いだままあたりに気を配り、警戒を強める。

「どうかした? 顔色が悪いよ?」

「え、あっあの……」

不意に声をかけられ慌てて言葉を探すうさぎ。

しかし、横から細い指先が伸びてきて、そっと頬を撫でられた。

「人の多さに酔ってしまったみたいね。
 少し、外の空気に当たったほうが良くってよ」

「え、あっ……ごっごめんなさい、そうしますっ…」

みちるの言葉にはっとし、うさぎは「ごめんなさい」ともう一度はるかに頭を下げ、みちるに手を引かれて店の入り口へと歩いていった。

「大丈夫かな」

呟いたその時。

『皆様、『GEM』創立50周年記念式典にご来場頂きまして、まことにありがとうございます。
 大変長らくお待たせいたしました。ただいまより、式典を開始させて頂きます』

アナウンスが流れ、照明が落とされた。

店の奥にあるスタッフルームへと続く出入り口をスポットライトが照らす。

シン…と静まる店内。

そこへ、上下のダークグレーのスーツを身に着けた元社長で、現・会長である叶野が現れた。

『皆様、本日はようこそおいで下さいました……』

叶野のスピーチが始まる。

だがうさぎの青ざめた顔が気になって、はるかは集中できずにいた(元々聞くつもりもないのだが)。

『そしてこちらが、―――なっなんだね君はっ!』


ザワッ…


周囲の声に顔を上げると、叶野の目の前に一人の男が立っている。

(なんだっ……この感覚?!)

全身に総毛立つような悪寒が走る。

「フフッ、貴方の事などどうでも良いのです。用があるのはそちらの宝石なのですから」

『なっなにぃっ!さっ触るな―――っ!』

そう言って突然現れた栗色の髪を後頭部で結っている男は、制止の声に耳を傾けることなく宝石が鎮座しているクリアケースに触れた。


パァ…ンッ!


『なっ!?』

『わっ!』

『きゃぁぁぁぁっ!』

突如砕け散るケースの破片が派手に飛び散り、周囲にいた来場客の悲鳴が響いた。

「皆さん!店の外に避難を!」

思わず声を上げるはるか。

しかし。

「それは困ります」


パチンッ


男が指を鳴らした。刹那。

「なっ!?」

「あぁ…っ!」

「な、んだ…これっ…!」

全身を襲う倦怠感。

周りにいる人間からも次々と困惑の声が上がる。

「ちっ、また『違う』…」

眉を顰め、男は手にした宝石を忌々しげに投げ捨てた。

はるかが霞みそうになる意識の中辺りを見渡せば、白い揺らめきのようなものが周りの人々から立ち昇り、男の掌へと収束されている。

「まぁ良いでしょう、我らが主人【マスター】の為に、貴方たちのエナジーを頂いていきましょう」

うっそりと笑みを浮かべ、男が手を掲げる。

すると、さらに強い力によって体の力が奪い取られていく。

このままでは…っ!

『待ちなさい!ゾイサイト!』

「なにっ!」

響いた声に男が気を逸らした瞬間、わけのわからない力から解放される。

がくり、と膝をつくはるかに対し、周りの人間のほとんどは気を失っているようだ。

息が上がって苦しい。

意識を保っているのが精一杯だ。

「また貴女たちですか」

『それはこちらの台詞。これ以上の暴挙は許さなくてよ?』

(女の、子…?)

動かない身体を何とか捻りつつ入り口付近を見遣れば、そこには2人の少女が立っていた。

「愛と正義のセーラー服美少女戦士!セーラームーン!!」

「同じく、セーラーネプチューン。参上」

「人の大切な思い出の品を奪おうとするなんて言語道断!月に代わって、おしおきよ!!」

セーラームーンと名乗った少女はツインのシニョンに結った長い金色の髪。

額には中心に白く細長い石がついた金色のティアラ。蒼い大きな瞳に左右の耳には三日月のイヤリング、首には赤いチョーカー。

肘までを覆う、白く長いグローブ。華奢な身体にフィットした白いノースリーブのコスチューム。

セーラーカラーと着丈30センチくらいであろうミニスカートは青、胸元と腰の後ろを飾る大きなリボンと膝までのロングブーツはチョーカーと同色。

そのブーツには白い縁取りがあり、正面には黄色い三日月が輝いている。

「相変わらず生意気な」

ゾイサイトと呼ばれた男が瞳を光らせ、再びパチンッと指を弾いた。

身構える2人の少女。

そこへ。

何もないはずの壁から何か這い出て(?)きた。

『お呼びですか』

「ヒッ!?」

「なっ、妖魔ッ!!」

セーラームーンの悲鳴に重なるように、隣に並ぶセーラーネプチューンが驚きの声を上げながらも身構える。

肩まで伸びる深い海色のウェーブした髪。額にはセーラームーンと同じくティアラを飾っているが、その中心に輝くのはエメラルドか。

他の装備はセーラームーンとさして変わらない。

ただ、胸元と腰のリボンがエメラルド色、セーラーカラーやスカートの色が深いグリーン。

グローブもセーラームーンより少し短い。

あとは履いている靴が踵にリボンが付いたヒールの高い靴であることくらいだ。

「“ヤクトル”…この者たちを殺せ」

『はっ』

「待ちなさいっ!」

セーラームーンの制止も空しく、床を蹴ったゾイサイトと呼ばれた男は空間に融けるように姿を消した。

「逃げられたわね…」

『お前たちごとき、この“ヤクトル”で十分』

苦く言ったネプチューンに妖魔がうっそりと笑う。

ゾイサイトに召喚されたらしいヤクトルは一応女性の人型を取っている。

しかしその身は青、腰まで届きそうな髪は金色だ。

瞳に至っては狂気を思わせる真紅で耳も先が尖っている。

「これ以上させない!」

『小癪な…』

「はっ!」

気合と共に2人の少女は同時に地を蹴った。


バンッ!


同時に繰り出した拳が“ヤクトル”に捕らえられる。

(しまった!)と思ったようだが遅い…!

『フンッ!』

「きゃぁぁぁぁっ!」


ガシャァン…ッ!


パァンッ!カシャッ…ン…


手首をつかまれたまま放り投げられたセーラームーンが直撃したショーケースが派手に割れる。

「セーラームーンッ!!」

『余所見をしている場合、か?』

「!!!」

気を逸らしたネプチューンの目の前でヤクトルがにたり、と笑った。

と、次の瞬間、華奢な体が宙を舞う!


ダンッ!


「ネプチューンッ!!」

「だい、じょうぶ…!」

床に右肩から叩きつけられ、それでもムーンの声に応えて立ち上がろうと身体を起こす。


負けるわけにはいかない!


2対の異なる色の輝きははっきりとそう告げている。


シュルルッ…!


(なっ!?)

立ち上がる2人の戦士を前に、ヤクトルの右肘から指先にかけてが鋭い刃物に変化した!

流石にまずいと思ってはるかは立ち上がろうと肘に力を入れる。

しかし、その様子を視界の端で捉えた妖魔が彼の方へ向き直った。

『ほう…あれだけエナジーを吸われて尚意識を保っていられるとは…』

「いけないっ!」

危険を察した2人が駆け寄ろうとする前に、サッと影が走った。

『なっ、んだ…っ!この猫はッ!』

「「ルナッ!」」


フ―――ッ!!!


目の前に突然現れた、怒りも露わに総毛立てる黒猫に、流石の妖魔も一瞬怯んだ。

しかしそれも束の間。


ブンッ……!


妖魔が刀身に変化した腕を大きく振るう。

「危ない!」

思わずはるかは黒猫を抱き上げて前転し、一撃を避けるも、やはりエナジーを吸われたダメージは大きく、がくりと膝を付く。

そこへ追い討ちをかけるように再びヤクトルが己の武器を振りかぶる!

「はるかさん!!ルナッ!」

セーラームーンが駆け寄ろうとしたまさにその時だった。



……トクンッ……



はるかは胸の内に何かが広がっていく感覚を覚えた。

息を飲み、嫌な予感を覚えたムーンとネプチューンの瞳が大きく見開かれる。



パァァァァァ……ッ!



「はるかさんッ!!」

彼の胸元から発せられる藍の輝きにセーラームーンの悲鳴が響く。

『ッ…くっ…なっ、なん…だ…これは……ッ!?』

「いけないっ!!」

戸惑いながらも閃光を放とうと構える妖魔に気付いたネプチューンは両手を天に向けて翳した。

彼女の意思に応えて空間から荒波が現れ、みるみるうちに球の形を成していく。

「ディープ…ッ」

大人一抱えほどの大きさまで収束した紺碧の光を、一気に解き放つ!

「サブマージッ!!」

『ぐぁぁぁぁぁぁっ…!?』

低い絶叫が腹の内側に響く。

と同時にはるかから放たれていた藍色の光がフッ…、と消えた。

「セーラームーン!!今よっ!」

「はっ…はいっ!!」

光から解放され、瞳を閉じたまま膝を付くはるかをひとまずルナに任せ、みちるの声に弾かれたように彼女は立ち上がり額を飾るティアラを手に取った。

「ムーン・ティアラ…!」

金色に輝くティアラが彼女の手の中で回転を始める。

ヤクトルが気付いて立ち上がろうとするが、時すでに遅し。

「アクション!!」

力が宿ったそれをヤクトルめがけて放った!

『馬鹿なっ、この私、が……!?』

ティアラに身体を両断された妖魔の身体は塵となり果て、悲鳴は虚空へと解け、消えた。


ぱしり


手元に戻ってきたティアラを再び額へとはめるセーラームーン。

そして、休むことなく右手を天へ振りかざす。

「ムーンスティックよ!」

彼女の声に応えて現れたのは、大きな黄金色の三日月が先端に添えられた薄桃色の杖。

杖、と言っても柄は長いものでなく、全体的に30センチもあるかないかだ。

「ムーン・ヒーリング・エスカレーション!!」

スティックから生まれた銀色の粒子が店全体にいきわたるよう、華奢な少女がつま先立ちでくるくると回る。

すると、壊れたショーケースやヒビの入っていた床が元の形を取り戻していく。

呆然とその様子を見ていたはるかだが、自身の体が軽くなっていることに気づいてはっとなった。

これは、一体……?


パサッ…カラ、ン…

「セーラームーンッ!!」

聞こえた悲鳴に反射的に振り向く。

そこには床に伏すように倒れるセーラームーンの姿。

「なっ!?」

「セーラームーン…っ!」

ネプチューンが駆け寄り、抱き起こした刹那。

パァンッ…!と白い光が弾ける。

眩しさに一瞬閉じた瞳を、ゆっくりと開くと。

「君は……っ!」



続きます



▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼

は~~~~~~~っ!

とにかく難産でした。
お付き合い頂きまして、ありがとうございます!

はるかさん覚醒に至らず。
でも、半分確定。
中途半端で申し訳ないです…誰か文才ください。

体調不良の件、ご心配おかけしております。
回復傾向にあったのですが、ストレスのせいでヘルペス(めばちこ)発症しましてもうまぶたがかゆい!
明日皮膚科いってきます・・・

リアルに仕事も忙しくなり、上司が小煩くなりストレスが溜まる一方で…(誰か萌えください)

でも負けずに頑張っていきたいと思っていますので、よろしくお願いいたします!


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