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ありゃま。


はてさて。こんばんは。
家のことでバタバタしていたら、あっという間に帰省時期です。

と、いうわけで。明日から子供を連れて実家へ帰ります♪
さーて寝るぞー♪(笑)てなわけにはいきませんでしょうが、楽しめればいいなと思います。
その前に!
最近出番が少なくなりつつある夜天くん登場!

口説いちゃいますよー
ちょっとシリアスですが、お付き合い頂ければと思います。
では、続きよりどうぞ。




~get ready~



ある日の放課後。
夜天は他の2人を屋上で待っていた。
今日は久しぶりのオフなので時間がたっぷりある。
教室の喧騒から開放され、彼は壁に凭れて瞳を閉じていた。

そこへ。

耳障りな音を立てて、屋上のドアが開かれた。

“ったく…誰だよ…”

眉を顰めた彼は、自分の時間を邪魔しにきた人物をその目に捉えた。

「月野…?」

スカートの裾をはためかせ、長い髪を手で押さえながら立っていたのは彼のクラスメイト。
太古の昔滅びを迎えた月の王国、シルバーミレニアムの王女兼、銀水晶の後継者…

無邪気でおっちょこちょいの泣き虫。
なのに、誰もが引き寄せられるかのようにその笑顔に集まり、癒されていく。
誰よりも優しく、無垢で、綺麗な心を持つ少女――月野うさぎ――

先程ホームルームも終わり、いつも一緒にいる友人たちと帰ったとばかり思っていたのに。

そんな疑問を持っていると、再び扉が開閉される音が響いた。

“あいつは…?”

あまり見かけたことのない男子生徒。
茶色のショートカットで、細身の長身。

「あ、あの…こんなとこに呼び出してごめん…」


“うわ、サイアク”


名も知らぬ生徒の一言で、夜天は心の中で毒づいた。
よりにもよって告白現場に居合わせるなんて、と。

しかし、うさぎは気にした風もなく、首を振った。

「どうか、したの山本君?」

「あ、いや…その…月野さんってフリーだって聞いたけど、ホント?」

山本と呼ばれた生徒の質問に、うさぎの表情が一瞬凍りついた。


“アイツ…なに言ってんの?”


夜天は彼女の表情にイラッとして腰を浮かしかけた。
しかし。

「う、うん。
 それが、どうかした?」

「―――――!?」

今度は夜天が固まる番だった。
少女には地場衛という彼氏がいると知っていた。
なのに、今彼女はフリーだということを否定しなかった。


“なんで………”


胸の奥がキリ…と痛んだ。

衛の存在を知っていたからあの時笑顔で別れを告げたのに。

そんな彼を置き去りに、話は進んでいく。

「俺、前から月野さんのこと良いなって思ってて…」

「え……?」

「良かったら、付き合ってくれないかな」

困ったように俯くうさぎ。
しかし、それも一瞬で。

「……ごめんね。私、好きな人、いるの…だから、山本君とは付き合えない」

ごめんね、と彼女はもう一度謝った。
切なそうな、しかし柔らかな表情で。
その顔は夜天が初めて見る表情だった。

「だ、だれ…好きな人って?」

「あ、ごめん…言えないの」

「じゃ、じゃあっ…―――」

「あのさぁ」

「!!!!!」

突然背後からかかった声に、うさぎは飛び上がりそうなほど驚き、体を竦めた。

「や、夜天君!?」

いつからそこに!といううさぎの質問を無視し、彼は山本に視線を向けた。
翡翠色の鋭い視線にたじろぐ彼。

「あんたさ、月野が嫌がってんのわかんないの?
 振られたくせに、この子が誰を好きで、誰と付き合ったとしても関係ないでしょ?
 女の子に恥かかせるなんて、サイテーだよ」

夜天の棘のある言葉に負けたのか、山本はそそくさと屋上を後にした。

残されたのはほっとした表情のうさぎと面白くなさそうな顔をした夜天。

「あ、ありがとね、夜天君」

冷たい風と沈黙に耐えられず、うさぎがおずおずと口を開いた。

「別に。単にめんどくさかっただけだし。
 困ってたでしょ、月野も」

「…あ、うん……」

「衛さんと、別れてたんだ…」

「………まだ…だぁれも知らないの。言ってない」

笑う彼女はどう見ても無理していて。
夜天は思わず視線を逸らした。

そんな顔が見たい訳じゃない。
あの頃の、真夏の太陽のような、自分までつられてしまうような笑顔が見たいのに…

「なん、で…って聞いてもいいの…?」

躊躇いがちに聞いた声が自分のものではないみたいに震えている。

「私が…いけなかったの。
 前世からの恋人だからって理由で縛り付けて…衛さんに迷惑かけちゃって……
 否応なしに戦いに巻き込んで、怪我させたり心配かけたり………疲れさせちゃったの」

「……そんなの……」

「それにね?言われちゃったの。
 自分の気持ちに嘘をついてまで傍にいて欲しくないって…」


自嘲気味に微笑むうさぎが痛々しい。


恐らく話の内容は本当だろう。
そういう類の嘘がつける少女ではないことを彼は知っていた。
しかし、気になるのは衛の言葉の内容だった。

「嘘って…さっき言ってた『好きな人』のこと?」

うさぎはこくりと頷き、言葉を続けた。

「ずっと無意識だったの」


気が付けば探す白銀色。

呼ばれた気がして振り返っても幻聴だと知って肩を落とす。

知らず口ずさむ、彼の歌。

街のあちこちに残る幻影。


その名残を見るたびに辛かった。
だから必死で思い出にしようと努力した。
この気持ちはずっと永遠だから。

なのに……

「忘れられなくて……隠し通せないほど好きになってたことに気付いた時にはもう遅かったの」

「……そう……」

「あ、ごめんね? こんな話…―――」


無理して笑わなくたって良いのに…

なんでそんなに取り繕うとするの?

あいつ等のため?


さすがにイラッとして、堪らず夜天は口を開いた。

「ねぇ、月野……」

「なに?」

「ソイツを好きになったこと、後悔してんの?」

「――まさか!」

突然の質問に、うさぎは肩を竦めて微笑んだ。

「私ね、前世とか運命とか何もなしに“恋”したの、初めてなの。だから、今すっごくドキドキしてる!」

「だったらさ、胸張ってなよ。
 強がって無理やり笑った顔なんて、月野には似合わない」

「……え……?」

いつもと違う、嫌味のない言葉に思わず聞き返す。

「もっと自分の気持ちに自信持ったら?
 前世とか関係なしに月野が本気で好きになった相手でしょ?」

はっとしたように息を詰めるうさぎ。

そこで、夜天は少し意地の悪い笑みを浮かべた。

「でもさ月野、ソイツとまだ付き合ってないんだよね?」

「え、う…ぅん……」

「じゃあ僕も立候補しちゃおーかなー……」

「ぇ……ちょ、や、夜天、君…?」

呆然とするうさぎを余所に、夜天はくすり、と笑った。

「言っとくけど、本気だよ、月野。
 ずっと…君のことが忘れられなかった。 
 運命の恋人がいるって知ってても、そんなこと関係ないくらい好きになってたことに気付いたんだ」

だからこそ、火球の傍を離れてでも、この地球に戻ってきたのだ。

星野が彼女を好きでいることも全て承知の上。
それでも、愛しい気持ちを伝えないまま諦めることは出来なかった。

「夜天君…―――」

そのとき。

ギィっと屋上のドアが悲鳴を上げた。

「あ、いたいた。
 やてーん、帰るぞーっておだんごも一緒だったのか」

満面の笑顔を貼り付け、星野が2人の方へ近づいてきた。
その後ろを大気が静かに歩いてくる。

「もう用事終わったの?」

「えぇ。お待たせしました。
 月野さんも一緒なら送っていきましょう」

「え!?」

「いいじゃん、一緒に帰ろうぜ」

そう言うと、返事も聞かずに出入り口へと向かう星野。
大気もそれに続き、夜天は肩を竦め、「行くよ」とうさぎを呼んで踵を返す。
呆然としていた彼女は、やがて諦めたようにため息をつき、一歩足を踏み出した。

と、急に夜天が振り返った。

「わ、な、なに?」

「絶対振り向かせて見せるから、覚悟して?」

どきっ……

普段皮肉な笑みしか見たことのなかったうさぎにとって、愛しいものを見るような穏やかな笑顔は新鮮で。
心臓の鼓動が高鳴るのを感じずにはいられなった。

「おーい!早くしねーと置いてくぞー」

「わぁかったよ!声デカいよ!バカ星野!」

「くすくす、いこ?」

うさぎは先程とは打って変わり、いつもの無邪気な笑顔を浮かべた。
そんな4人を、赤く染まった夕陽があたたかく見守っていた。


==========================

ふいー…ようやく書きあがりです。

夜天君はよく屋上にいそうなので、告白場面に出くわすこともあるでしょう。
そんなことを思いながら書いてみたら、こんなお話が出来上がりました☆
お楽しみいただけたでしょうか?

カウンターもいつの間にか600を、拍手総数も300を超えました。
繰り返し来てくださる方にも、はじめてきて下さった方にも、たくさんたくさん感謝しています!
これからも、よろしくお願い致します♪


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