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まだまだいきます。第3弾。



あぁ、またやっちゃいましたよ。
今回の1周年の第3弾は大→うさです。

夜うさじゃなくてすみません。
しかも甘くない。うーん…今度は頑張ろう、うん。
切ないですけど、読んで頂けたら嬉しいかと思います。





#道化の願い#


「えっと…? これ、は…………」

「あぁこれなら、先程解いた例題2の応用ですよ。まずは……―」

さらさらとルーズリーフに数式を書いていく。

その先をうさぎはじーっと見つめる。

彼女の様子を感じつつ、大気は心の中で苦笑した。


“そんなに真剣に見つめられると…困るのですけどね…”


課題を教えている最中なのだから、まじめでいいはずなのに。
ただ、心の中に抱えている気持ちの名前さえ知らずにいれば…意識などせずに済んだのに…

それでも、後悔はしていないから。

「……………で、きた……」

「よく出来ましたね」

うさぎは、まだ信じられない、と言った風に呆然としている。
その視線の先には先日学校より持ち帰った数学の課題。
5枚のプリントには間違いなく彼女の字で解答が書き込まれている。一問の隙もなく。

「大気さん、ありがとう!」

彼の言葉にぎこちなく顔を上げたうさぎは、満面の笑顔で続けた。

「やっぱり大気さんって教えるの上手ですよね!
 学校の先生の説明よりずっとずっとわかりやすかったですよ!」

「そんなことはありませんよ、月野さん。でも、力になれたのなら良かったです。
 さて、お疲れでしょうし、お茶にしましょう」

「わぁ!ありがとうございます!」

立ち上がった大気は彼女を部屋に残してキッチンへと向かう。


水で満たし、火にかけたケトルを見ながら、大気は考え事をしていた。


戦いを終え、プリンセスを取り戻して以来違和感を感じていた。
星の復興中の何気ない一瞬。
何度もうさぎの声や気配を感じて振り返った。
無論そこに彼女がいるはずもなくて。
何度呆れただろう。

地球に戻ってきてからも、この、どこか煩わしい感情は消えるどころか日毎大きくなって。

許されるはずのない、一方通行の想い…なのに――

確かに彼女は少々危なっかしくて頼りなく、無謀で放っておけないところがある。
先の戦いの時でさえ、命を落としかけたほど。

しかし、大気にはわかっていた。

それだけでうさぎを見ているのではない、と。

この己の気持ちに、星野はともかく、もしかしたら夜天あたりは感付いているかもしれない。
なんとも言えない苛々した表情で睨まれ、首を傾げた事が何度かあったからだ。
その時はわからなかった。
だが…

「夜天も…惹かれているのでしょうね…」

誰彼惜しむことなく注がれる、白銀色の光に。
いや、その光を放つ、うさぎ本人に。

わかっていて、尚…内に秘めた想いを消すつもりはない。
と…

シュンシュン…とケトルが騒ぎ始めた。

コンロの火を消してティーポットに湯を注ぎ、残りをカップに注いであたためる。
茶葉が開く頃合を見計らってカップの中の湯を捨て、ふきんで軽く拭う。
トレイに全てを乗せ、最後に以前購入したクッキーを何枚かお皿に並べて部屋へと向かう。

「お待たせしま……」

彼の言葉は最後まで続かなかった。

くすりと笑うと、大気は持ってきたトレイを、すでに片付けられていたテーブルの上に置いた。
そこでは、うさぎが安らかな寝息をたてて眠っていた。

無理もない。
大気の仕事の都合上、土曜日である本日午後から3時間近くつきっきりだったのだから。
普段のうさぎからしてみれば頑張り過ぎた方である。

腰を下ろした大気は、そっと彼女の髪に手を伸ばした。
シニョンから流れる金糸は艶やかで、するりと指先をすり抜けていく。

そんなことを何度か繰り返した後、一瞬、その先を緩く捕らえる。

勉強という名目でも、自分を頼ってくれたことが嬉しくて。
学校で向けられる無邪気な笑顔とは違う、真剣な眼差しのギャップに眩暈さえして。
どうしようもなく、改めて確信した。


“うさぎに惹かれている”自分を。


だから、彼女の髪にそっと口付けを落とした。

気付かれてはいけない、気付いて欲しい想いを込めて…

例えこの恋の行方が痛みしか伴わないとしても、初めて“愛しい”と思えた少女だから。


『浅はかな夢を抱く私を、貴女は許してくれますか…?』


FIN


================================


あぁもう!やっぱり暗くなった!
今度はそうならないようにしようと思っていたんですが、どうにも大気さんて、
自分の事に関してはかなり頑なになりそうなので、こんな話になりました。

あまり大→うさは頻度が高くありませんが、機会があればまた書きたいと思います!

では1周年企画、これにて。
まだまだ精進の足りない管理人ですが、たくさんたくさんありがとうございます!
そして、これからも宜しくお願い致します!


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