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な、なんとか3月中にUPできたかしら(汗)


こんばんは、新月です。
不甲斐ない管理人で申し訳ありません…

ちなみに、風邪はまだ治ってないです。
どうにか年度末のヤマは抜けましたので、遅れまくりましたが、ホワイトデー企画の創作をうpさせて頂きます。

少しでも楽しんで頂ければ幸いかと思います。

今回は上からぞろろび、ぜるりな、はるうさとなっております。





~愛しき君へ~




「くぉらクソマリモ!」


本日3月14日。

都内某所の高校。
2年生の教室にて響き渡った声に、約一名の人物は顔を顰めた。

背後を振り返ってみれば、いつも何かとうるさい悪友、サンジの姿。

「なんだエロ眉毛。朝っぱらからうるせぇな」

「眉毛言うな!むっつりのくせに!」

「誰がむっつりだ!」

「んなこたぁどーでもいい!てめぇ今朝ロビンちゃんと2人乗りで学校来たってホントかっ!」

サンジの言葉に対して、ゾロはうんざりしたようにため息をついた。

「それがどうした」

「ぬぁぁぁぁっ!てめぇなぁっ!今日が何の日かわかってんだろうなぁっ!」

そこへ。

「おはよう、サンジくん。朝からどうかしたのかしら?」

「あっ!ロビンちゅわん!おはよう!」

教室に入ってきたのはゾロの恋人、ニコ・ロビン。

闇色の髪を緩く束ねた彼女は、もう一度「おはよう」とふわりと微笑んだ。

「今日こいつとチャリで2人乗りして来たって噂になってるよ!」

「あら、もう?」

「ってことはホントにっ!?」

粋がるサンジにくすりと笑う。
それが答えだった。

「私が彼にお願いしたのよ」

「なっ!なんだってそんなことっ!よりによってマリモなんかとっ!」

「………ったく、付き合ってられっか」

いつもなら口喧嘩になるところ。
しかし、苛立ったように髪を掻きながら席を立つと、教室を出ていった。

一瞬何が起こったのかわからなかった。

置いていかれたサンジは面食らったようにその場に立ち尽くした。

すると、たった今入ってきたばかりの教室を出ていこうとするロビン。

「ろ、ロビンちゃん?」

慌てて声をかけたサンジを振り返る。

「先生には体調が悪いとでも言っておいてくれる?」

「そっ、れは……―――――わ、ワカリマシタ」

「ありがとう」

ぎこちない答えに頷くと、ロビンはゾロの後を追った。

一人残されたサンジは訳のわからないままため息をつき……気がついた。
同じクラス内にいるはずの人間がもうひと組、ここにいないことに。





「本当にいいのか、こんなんで」

「なんのことかしら?」

屋上に移動して何度目かのチャイムを聞いたとき、ゾロは疑問に思っていたことを問いかけた。
しかし、隣に座るロビンはあっさりと問い返す。

「もっと女ってのはアクセサリーとか欲しがるもんじゃねぇのか」

そのためにこのひと月バイトを増やしてみたのだが、ロビンからのホワイトデーの願いは至って単純なものだった。

「あら、不満かしら?」

「そんなんじゃねぇよ。ただ、お前は――――――」

「私は、こうして一緒にいられる時間の方が大切よ。
 今日は一日、ずっと傍にいて頂戴。約束通りお弁当も作ってきたから一緒に食べましょ」

そう。
彼女の望みは今日一日を普通の恋人のように一緒に過ごすこと。


お互い委員会も部活も鍛錬も休み。


放課後は彼女とデートをする約束になっている。


ならば、その時にでもなにか買ってやるのも良いだろうと考えた。

「………わかった」

諦めたようにため息をつくと、寝る体勢にはいろうとして、ふと思い出したようにポケットを探った。

指先に触れたそれを取り出し、ロビンが開いている本の上にそっと置き、ごろりと横になる。

「…ゾロ?」

突然現れた「それ」と膝の上に感じた重みに、驚いたように彼の名を呼ぶ。

しかし、一瞬片目を開けてロビンの方を見ただけで、また閉じてしまう。

どうやらこのまま寝るつもりらしい。

「……昼になったら起こせ」


銀色に輝く「それ」はステンレス製。

傘の柄のようにまっすぐ伸びた上部は緩やかなカーブを描く。

先端には同じくステンレス製の花と蝶のモチーフ。


思いがけぬ「お返し」に驚きを隠せない。

高鳴る鼓動が彼の昼寝の邪魔をしないかと心配になるほどに。

しかし、本人は気にした風もなくすっかり寝入ってしまって、身じろぎもしない。


……ゾロがどんな経緯でこの栞を手に入れたかはわかならない。

それでも、贈られた気持ちが嬉しくて。

「わかったわ」

応えて空を見上げる。


今日はいい天気だ。

3月にも関わらず、日差しはあたたかく、風もない。

ナミの予報では、穏やかな一日になるだろうと言っていた。

はるかとうさぎも放課後でかけると聞いていただけに心配だったのだが、これなら問題ないだろう。
声に出さずに笑って、ロビンは再び手元の本に視線を落とした。





さて、昼食時間も過ぎ、午後の授業に入った頃。生徒会室では。


「おい、リナ」

「んー…?」

「いつまでこうしてるつもりだ」

「だって、気持ちいいんだもん」

狭い革張りのソファの上。
生徒会長のゼルガディスとリナは向かい合って横になっていた。

確かに心地良いのだが、これはこれで問題がある。

彼の腕を枕にし、今にもまどろんでしまいそうなリナ。


先程食べた彼女手製のお弁当は確かに美味しかった。

出汁の効いた厚焼き玉子焼き、からりと揚がった鳥唐揚げ、ポテトサラダにプチトマト。
ついでに作ったと言う、3種類のサンドウィッチ(彼女の分も含めて5人前はあったが)。

弁当箱を空にし、お茶を飲んで落ち着いた途端、強請られたのがこの態勢。
喉をくすぐれば喉を鳴らしそうな雰囲気さえある。

「太るぞ」

「殴るわよ」

「後でケーキ食うんだろうが」

「当然。持ってきてくれたんでしょ?」

「でなきゃこんなとこでお前といるわけないだろうが」

呆れたようにため息をつきながら、ゼルガディスは備え付けの冷蔵庫に目を遣った。

中には、昨日2時間列(なら)んで手に入れた『ラ・プティ』のシュークリームや焼きプリン他、全部で10種のケーキを詰めた箱が入っている。
もちろん自分用にもいくつか買ったが、大半は目の前の彼女のリクエストだ。

本日のホワイトデー。
リナが望んだのはゆったりとしたこの時間だ。
学校をサボってリナの姉に怒られるのは勘弁願いたいが、授業を一日休んだところで遅れを取る2人ではない。

大体、今日の授業内容は先日返却された期末試験の補講だ。
自分たちには関わりがない。

3時のおやつはゼルガディスの淹れるアールグレイと共にお茶をするつもりでいる。

「大体、あんたは働き過ぎなのよ。
 ちょっとは自分の体のこと考えなさい」

呆れたような口調で言い放つリナは静かに目を閉じる。

確かに最近生徒会の仕事が忙しく、彼女を構っている暇もなかった。

かと言って、全く時間を共有していなかったわけではない。
登下校や放課後、休憩時間。
時間は僅かながらも、一緒に過ごしていた。しかし。

「確かに。お前さんの言う通りだな」

ため息混じりの言葉と共に、ゼルガディスも瞳を閉じた。
どちらにしろ、「別の」お返しは用意済みなのだ。


――――通学カバンの中に入っている、小さな箱。

その中には、桜の練り香水。

以前、学校の帰り道で通りかかった雑貨屋で瞳を輝かせていた。
その時、彼女は自分は香水の類は柄じゃないと棚に戻してしまったが、明らかに後ろ髪引かれる、といった様子だった。

もうすぐ季節もすぐそこ。

普通の香水より香りのやわらかな練り香水の方が、自分としても好みだ。

たぶん、喜んでくれるはずだ。


―――――しかし、彼女に言われ、初めて気がついた。

自分が思っていたよりも疲労が溜まっていたことに―――――


逆に気を遣わせてしまった自分が不甲斐ない。

だから、今日だけはゆっくりと過ごそう。

誰より愛しい彼女と。






「さ、行こうか」

「あ、はい」

授業を終えた放課後、差し出されたはるかの手を取り、うさぎは静かに頷いた。
彼のバイクにまたがり、彼のお腹のあたりで伸ばした手を組む。


風を感じ、風の流れに身を任せる。


エンジン音の中に彼の鼓動を感じながら、その音(ね)に合わせるように自分の鼓動も高まっていく。


この時が彼女にとって何より幸せな時間。


しばらくして、馴染みのある公園に到着した2人。
人気のないその場を手を引かれ、ある楓の樹の下へ。

刹那。

眩い光が天へと駆けた……――――――




「うさぎ」

声をかけられ、遠く彼方を見つめていた彼女が振り返る。

そこにはトレイに紅茶とみちる特製のケーキを乗せたはるか。

「そんなに珍しいものじゃないだろう?」

ガラス製のローテーブルにトレイを置きながら苦笑混じりに言うと、うさぎは小さく頭を振った。

「寂しくならないかい?」

「いいえ」


目の前に広がる闇。


その中で光る13本のリング。


時折視界を過ぎる衛星たち。


太陽の光の届かない、痛いほどの静寂。


ここは、はるかの守護星――天王星のミランダ・キャッスル。


まだ彼女の生母であるクイーン・セレニティが存命の時代、外部太陽系の戦士として任に就く際に与えられた城だ。

所有者である彼とみちるたち家族以外、誰も踏み入れたことのない領域。


そのメイン・コンピューター室の大きな画面を見ながら、うさぎは寂しそうに微笑んだ。

「はるかさんの前世のこと、私、全然知らないから」

本来なら、それが普通だ。
プリンセスを護り、王家の繁栄のために『力』を悪用しようとする『侵入者』と戦うことを宿命とされた自分たち――外部太陽系の戦士。
その存在は、内部太陽系の戦士にすら知らされていなかった。

終焉の見えぬ刻(とき)の中、孤独に耐え、ひたすら戦い続けた。

しかし前世、地球からの侵入を防ぐ役目を果たせず、王国は滅びてしまった。

記憶を取り戻した際、そのことをどれほど悔やんだか。
それほどまでにして手に入れたかった恋を手放し、今目の前にいる彼女こそ、はるかにとっては何より代え難い存在で。

誰より愛しく、狂おしいほどに焦がれた、護るべきたった一人の女性……―――――


「君の望みを受け入れないわけにはいかないからね」

「ありがとうございます」

「しかし、本当に僕の城でお茶をするだけでいいのかい?」

飽くことなく画面を見続けていたうさぎの前に紅茶とケーキを並べながら問いかけるが、あっさり頷かれてしまう。

「ずっと前から気になっていたんです。
 はるかさんが前世で、どんな場所で過ごして、どんな景色を見続けてきたのか」

まっすぐ見つめてくる蒼い瞳。

その表情は穏やかで、一点の曇りも見られない。

「もっともっと教えてください。
 辛かったことも、悲しかったことも、たくさん」

そう微笑まれては、これ以上何も言えない。

しかし。

「そうだね、じゃあその前に……」

うさぎの両サイドのおだんごに触れると、するりとそれをほどいた。

ふわり、広がるやわらかな金色。

おだんごの癖が少しついてはいるが、それがまたいつもと違うイメージを醸し出す。

「……はる、か、さん……?」

急なことに驚いて目を丸くするうさぎ。

はるかはいたずらっぽく笑うと、彼女の背後に回った。

さらさらと流れる髪に触れ、後頭部の高い位置で結わえる。
そこへ、ポケットから取り出した薄い水色のコットンレースを飾った。

「―――っ!はっ、はるかさん、これっ!」

カバンから取り出した鏡を覗き込み、瞳を輝かせるうさぎ。

「たまたま見つけてね。君に似合うと思って」

「………っ………!」

「今日はいつもと違う、“僕の”うさぎでいて欲しい」

甘く微笑しながらレースの端に口付ける様は、まるで王子さながら。

「なんて、我が儘、かな」

顔を朱に染めながらぶんぶんと首を振る。

優しく、恥ずかしげにはにかんで、「嬉しい」と微笑んだ。






――――いつも共に在りながら伝えられない気持ちを


それぞれの形に代えて、愛しい想いを君に……―――――



fin


+++++++++++++++++++++++++++++++


いかがだったでしょうか…?

それぞれ頑張ってもらいましたが、イマイチひねりが足りなかったかも。
もっと精進が必要ですね…

しばらくははるうさ創作が続くかもしれませんが、他の作品も頑張りますので、宜しくお願い致します。(ぺこり)

みなさまも、体に気をつけてお過ごし下さいませ。



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