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うーみゅ…

創作が進まない新月です。こんばんは。
咳のせいか集中力が低下している模様です。

ですが!

負けている場合ではないので、ようやく仕上がった作品をうPさせて頂きます。
企画のほうはもうしばらくかかりそうです。
申し訳ありませんが、お待ち下さいませ。

内容ははるうさ←夜天で学校の放課後です。
ダメなひと要注意!

それでも!って方は下記の続きより。
お楽しみ頂けると嬉しいです。



―――風になれたなら―――



「月野」

「あ、あれ? 夜天君」

「帰らないでなに見て…あぁ……」

ある日の放課後、教室の窓際に佇むうさぎに声をかけた。
彼女の視線の先には陸上部の練習に励む天王はるかの姿。

『きゃーーーー!!!はるかせんぱーい!』

『すてきーー!!』

『頑張ってーー!!』

などと黄色い歓声が校庭に響き渡る。

軒を連ねているフリークの叫び声にため息しか出てこない。

「こんなとこからじゃなくて、下で見ればいいのに」

夜天の言葉に、しかし彼女は頭を振った。

「ううん、良いの。
 練習の邪魔、したくないし」

どこか寂しげで、儚い微笑。
そう言えば、そろそろ関東大会がどうのとか言っていたような気がする。

こういう気遣い出来るところも、自分(たち)が彼女に惹かれる理由のひとつなのだろうと今更のように思った。

しかし、はるかにしてみれば、大勢のフリークよりうさぎ一人の方が練習に集中できそうだ。
それほどに毎度毎度彼女たちの声援(奇声)は人数と声量を増していく。
あの状態で本当に集中できるのかと思うほどに。
自分ならばいっそ『うざったい』と蹴散らしてしまいそうだ。

ぱあん、と響く火薬の破裂音。

同時に走り出す、陸上部の面々。
その中にはるかがいた。
ギャラリーの声援にも熱が篭って一層声高くなる。

「天王の走るフォームってさ、」

「うん?」

「キレイ、だよね」

流石は天空の星を守護に持つ戦士、といったところか。

一緒に走っている生徒を、スタート時点から引き離している。

風を身にまとい、翼を広げた鳥のようにぐんぐんスピードをあげて地を駆ける。

しなやかな全身を駆使し、ゴールラインを踏んだときには、後方とは十メートルほどの差が出来ていた。

力を抑えているであろう事は容易に想像がついたが、これでは他の生徒も堪らないのではないだろうか。

「うん。私もそう思う」

うさぎが目を細めて、ペットボトルに口に運んでいるはるかを見つめる。

その視線に篭められた想いは既に知っている。
だが、いくら彼自身がうさぎの恋人の地位を獲得しているからと言って、余裕でフリークたちに手を振る姿が面白くないことは確かだ。

だから。

「ねぇ、月野」

ほんの少し頬を染め、愛おしそうに目を細めている彼女に問いかける。

「なぁに? 夜天君」

「天王とのキスって、どんなの?」

途端にうさぎの表情が固まった。

ぎぎぎ、とまるで油を差し忘れたブリキのおもちゃのようにぎこちなく彼のほうへ振り向く。

「え……と…?」

夜天はにやり、と意地の悪い笑みを浮かべ、

「だから、キス。天王としてるんでしょ?
 どんなの、してるのかなぁって…思って、さ…」

一歩、彼女のほうへ踏み出す。

かぁっとうさぎの顔全体に朱が差し、蒼い瞳が大きく見開かれる。
と同時に無意識に後ずさる。

面白そうに片方の眉を上げ、更に顔を近づける夜天。

「教えてよ、月野」

「え、ちょ…や、ねぇ、夜天、くん…?」

焦ってまた一歩後退するが、その先は柱の壁。
背中に当たった感覚に、ひやりとしたものが込み上げる。

こくり、と息を呑むうさぎ。

そっと夜天の手が伸びる。

その指先が髪に触れた――――と、同時だった。

「なんなら、この場で見せてやろうか?」

金縛りに遭ったように動かなかったうさぎの身体がびくり、と震えた。

「練習中じゃなかったの?」

夜天がうさぎから視線を外すことなく問いかける。
教室の入り口に現れたのは先程までグラウンドにいたはずの人物だ。

「僕のお姫様が困っていたみたいだからね」

「は、はるかさん!」

彼はようやく硬直状態から脱したうさぎの傍に歩み寄り、その身を抱き寄せた。

どきりとする間もなく触れた肌に感じた汗に思わずはるかを仰ぎ見る。

陸上部の大会でも、暑さのせい以外で流れたところをあまり見たことがない。
戦いでも、どんなに相手が速くとも息ひとつ乱さず簡単に追いついて捕らえてしまう脚力。
そんな彼が汗を流すほど走るなど…

その意味がわからないほど、今のうさぎは鈍感ではない。

「さっきまで黄色い歓声に囲まれてた癖に」

「あの子達が求めている『天王はるか』は幻影…つまり中身の伴わないニセモノさ。
 僕にはうさぎさえ居てくれればそれで十分だ」

言い終わるが早いか、腕の中の彼女の唇に噛みついた。

突然のことに大きく見開かれる瞳。

慌てて身を捩ってもキスから開放されることはなく、さらに深く、濃厚に唇が合わさり、舌が絡まるだけ。

ぎゅうっとはるかのユニフォームを握り締め、息苦しさに瞳を閉じるうさぎ。

夜天はというと、ぎゅっとこぶしを握り締め、ただ目の前の2人を見つめるしかない。
己から仕掛けたこととはいえ、まさかの展開に歯噛みする。

「~~~~っは、はぁ、は…るか、さんってば…もう!なんてこと、」

「うさぎは可愛らしくて危なっかしいからしっかり捕まえておかないと気が気じゃないんだよ」

「だっだからって…!」

「惚気るなら」

荒く息を吐き出すうさぎのセリフを遮り、夜天は踵を返した。

「他でやってよね」

今日のところは負けを認めるよ。
そう言い残し、彼は教室を出た。

すれ違いざま、はるかにだけ何かを囁いたようで、一瞬はるかの視線が鋭いものへと変化する。

「あーぁ…もうちょっとで……」

あの優しい輝きに触れることが出来たかもしれないのに。

教室の扉を閉めて誰にともなく口にした呟き。

それは自嘲的な笑みと共に、静かな放課後の校舎内に溶け、消えた…―――――


fin


****************************************


またやっちゃいましたかね…

いやー…突然ネタ降りてきたかと思ったら。
夜天くんは密かに爪研いでて、時々牙を剥く、みたいな感じがするのですよね。
そのことに気付きもしないうさぎちゃんも可愛いですが。
だからこそ、はるかさんとしては気が抜けない相手になりそうな気がします。

さて、明日からまた仕事…がんばるかな。

みなさまも体調に気をつけて日をお過ごしくださいね。
ではでは。


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